どうも、こんにちは


フリーライターのもといです
恥ずかしながら、フリーライターと名乗ってはいるものの、
その実ほとんどフリーターみたいなものでして
ですが今回、そんな僕に久し振りのお仕事が舞い込みました。

めずらしい人からの着信。
このサイトをご覧の皆さんはご存知だとは思いますが
神崎悠輔
彼は茶道家であり、また広くお茶に関わる茶人をやっていて
日本中を駆け回ってお茶を紹介しているらしく
その仕事ぶりは食事会などで顔を合わせた時に
本人から聞いていたのですが
僕にとって彼は高校からの友人で
その後も何だかんだ仲良くしてくれている
マイペースで優しい友人です。
そんな彼からの電話でした。
神崎
もしもし、神崎です。久し振り
もとい
久し振り!どうした
神崎
実はいま静岡で地域おこしやってるんだけど
神崎
もといはまだライターやってるの?
もとい
まあ、やっている(つもり)よ
神崎
じゃあなんか“面白い”記事書いてよ
もとい
それ一番言っちゃいけないやつだぞ


そんなわけで遠州森町に、のこのこやってきました。

神崎
よくきたね、ここは遠州森町。日本一急須でお茶を飲む町さ
もとい
RPGで村の入り口にいるやつだ
神崎
とりあえず、町を色々紹介するよ
と言って車を走らせる神崎氏。


想像していたより田舎だ…
神崎
ついたよ!

神崎
ここは小國神社。遠江国一宮だよ
もとい
立派な神社だ

神崎
桜とか紅葉の時期になるとかなり賑わうよ
もとい
たしかに、写真スポットとしてもかなり良さそう

神崎
すぐ隣のことまち横丁はお土産とかスイーツが評判で



とろける食感でシンプルなネーミングの 極上きなこのわらび餅(画像右)

もとい
うまい。うまいし、うまい
神崎
やっぱりこういう雰囲気の場所でゆっくりお茶できるのは格別だよね
神崎
さて、次は大洞院っていうお寺に行くよ

田舎というよりもう人里ですらない気が…
神崎
さ、ついたよ!

もとい
ここはどんな場所?
神崎
ここは森の石松の墓があることで有名なんだ
もとい
森の石松、聞いたことある(気がする)
神崎
最近は清水次郎長の話なんて触れる機会ないよね

神崎
この石松の墓石を削って持っているとお守りになるって噂になって、どんどん墓石が削られて小さくなっていったらしいよ
神崎
で今はめちゃめちゃ硬い石になってるらしい
もとい
合理的な解決策

神崎
じゃあ車乗って、次はね…
もとい
…あの、ちょっとまって
神崎
?
もとい
あと何ヶ所まわるの?
神崎
あとは、あそこと、あそこと…
もとい
いったん神崎の家帰ろう
神崎
まだ二ヶ所目だよ
ーーー神崎家
神崎
はい、お茶
もとい
ありがとう


もとい
…あのさ、最初に電話くれた時、神崎なんて言ってたか覚えてる?
神崎
なんて言ってたっけ?
もとい
“面白い”記事書いてって言ったよね?
神崎
言ったね
もとい
正直言っていいかな
神崎
うん
もとい
面白い記事、書ける気しないんだけど

もとい
いや、もちろんこの町が悪いわけじゃなくてさ、俺の実力不足なんだけど
もとい
ただこの町の名所を紹介するだけじゃ面白くはならないと思うんだよ
神崎
そうだね
もとい
俺はこれまで普通の人よりも日本中いろんなとこに行ったことあるけど
もとい
ここみたいな町、日本中にいくらでもあるよ
もとい
だからただ紹介するだけじゃ面白くならないと思う
もとい
わざわざ神崎が頑張って地域おこししてる町に呼んでもらって申し訳ないけど、今回は…
神崎
いや、いいんだよ。それをそのまま書いてほしい
神崎
日本中にあるような町かもしれないけど、でもこの町で生まれ育った人にとっては特別で守りたいものなんだよ
神崎
でもだからこそ、外から来たもといが客観的に見てどう思うのか書いてほしかっただけだから
もとい
神崎…

神崎
…ちょっとトイレ行ってくる
もとい
あ、うん

もとい
神崎はああ言ってたけど、ここに住んでいる人のこと考えたら「どこにでもある」なんて言っちゃいけなかったな
神崎
もといー
トイレから神崎が呼んでいる。
もとい
どうした
神崎
紙なかった
もとい
まじか買ってくる
神崎
セブンあるからそこで
もとい
コンビニあんのかよ


この町の何を書けば、面白い記事になるんだろ…

いい町、、 ってことはよくわかるんだけどな

せっかく自分を呼んでもらったんだから、
自分なりの面白い記事書かないとな

友人のため、この町のために
いったいなにができるだろう?
おこがましいぞ若者。お前ごときで町のために何ができよう
もとい
!
ここがどんな場所であるかは問題ではない。お前自身がここで何をするか。違うか?
もとい
…そうか!ありがとうございます!あなたは…?
そこにはもう誰もいない。
なァに、墓参りのお礼よ、風の音に混じってそう聞こえた気がした。

もとい
神崎!俺わかったよ!
もとい
この町がどんな場所かじゃなくて、ここで何をするかなんだよ。
もとい
それを記事にしてみんなに見てもらって、みんなにこの町で何をしたら楽しいのか知ってもらうんだ!
もとい
だから今回きりじゃなくて俺、この町のこともっと…
神崎
そうだね。わかった。わかったからとりあえず紙わたして

というわけで、フィクション98%で始まってしまいましたが、
次回から「田舎で何をしたら楽しいのか」をスローガンに
定期更新していきますのでよろしくお願いいたします!


もとい フリーライター。1993年生まれ。千葉県出身。ぽん酢と哺乳類をこよなく愛する。愛読書は赤瀬川原平『新解さんの謎』。